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手心を加える

てごころをくわえる

 手心を加えるの「手心(てごころ)」は、「手の心持ち」すなわち手の感触(接した感覚)、または、「手の魂」すなわち手が覚えている技術(ものの扱い方)という意味であり、ここでは、相手への接し方や相手の扱い方を加減し、調整することを、手による接し方や扱い方にたとえたものである。「手心を加える」とは、相手の事情や状況を考慮して相手を適切に扱うという意味だが、主に、事情を考慮した結果、相手への攻撃を弱める、扱い方をゆるやかにする、つまり「手加減する」という意味で用いられる。例えば、論文試験の審査で、受験生がバカばっかりでまともな論文がないので、これではみんな赤点だと憂慮した審査員が(=相手の事情を考慮して)、「てにをは」を間違えずに書いている論文に合格点を与える(=手加減する)というような状況を、また、けんかで、相手があまりに弱いので(=相手の事情を考慮して)、死なない程度になぐりつけておく(=手加減する)というような状況を言い表すのが「手心を加える」であり、要するに、「軽〜く八百長をする」ということである。(KAGAMI & Co.)

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