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下手、ヘタ、へた

へた

 下手(へた)とは、技術などが劣っていること、手際が悪いこと、中途半端であること。それぞれ、「ヘタな歌」「へたするとコケるぞ」「下手の考え休むに似たり」などと使う。漢字で「下手」と書くが、これは普通に読めば「げしゅ」「げて」「したて」「しもて」などであり、どう読んでも「へた」にはなりそうもない。つまり「下手」は当て字である。「へた」の語源は「端(はた、または、へた)」とされている。「へた」または「はた」は、中央部に対する周辺部のことだが、そこから生じた「へた(下手)」は、古く、身分の低い人のことを言った。「下手」がなぜ「端(へた)」を語源とするかがわかるかというと。『古今和歌集』の注釈書である『顕註密勘(けんちゅうみっかん)』(1221)という本に、「海には沖あり、へたあり。へたとは、ほとり・なぎさ也。海浜と書きて、うみへたとは日本紀には訓めり。それに寄せて、わろき身をもへたといへり」とあるから。つまり「へた」は蔑視する対象であり、そこから技術が劣っていたり、手際が悪いことや人に「下手(へた」があてがわれたのではないかと思われる。

​(VP KAGAMI)

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