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タピオカ

たぴおか

 タピオカとは、カッサバの根茎(つまりイモ)から採れるデンプンのこと、およびそれを3~6㎜の球形に加工した食品をいう。この球形の食品はタピオカパールとも呼ばれ、それをミルクティーに大量に投入した台湾発祥のタピオカミルクティーは、太いストローで必死に吸い込まなければならないという飲みにくさにもかかわらず(個人の感想です。それでも、某有名店のシェークよりは飲みやすい)、2000年以降、日本で何度かブームを起こしている。

 カッサバは熱帯アメリカ原産で、その根茎から採れるタピオカは、ブラジルの現地語で「芯を取り除いたカッサバイモから採れる汁」または「水洗いした沈殿物をすりつぶしたもの」を意味していたらしい。それが、製法とともにスペイン、ポルトガルに伝わったのがタピオカで、日本には当初医薬品として伝えられ、明治半ばころには料理の食材として使用されていた。名称そのものは江戸末期に知られていて、蘭学者の高野長英が「答必膃加」という字を当て、明治初期の薬品辞典には「荅必阿加」として掲載されている。

 タピオカブームは、タピオカティーの流行以前、1990年代にすでにあり、このときはココナツミルクにタピオカを入れたものが流行った。筆者は残念ながら(残念でもないが)、このときのブームは知らないが、タピオカそのものはほとんど味がしないし、イモだからそこそこの栄養はあるのだろうが健康食品という位置づけも難しく、米のようにたいして味がなくても主食としての地位を固められるわけでもなく(いずれも、個人の偏見にみちた感想です)、流行廃りを繰り返す運命にある食品であることはいたしかたない。それでも、海外に畑まで作らせてあっという間にブームが去ってしまったナタデココなどよりは、幸せな食品というべきだろう(個人的にはナタデココのほうが好きだが)。

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