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午前様

ごぜんさま

 午前様とは、深夜を過ぎて(つまり翌日の午前中に)帰宅する人をいう。高位の人や高位の人の夫人を敬っていう「御前様(ごぜんさま)」をもじった俗語。深夜を過ぎて帰宅する理由は、主に友人たちとはしご酒をしたからであり、それ以外の理由だと家庭内に波風が立つ。

 この言葉が成立する条件は、その1 その人物(午前様)を目上として認識している相手がいる、 その2 その相手はその人物(午前様)が深夜を過ぎて帰宅したという明確な認識がある、ということ。早い話、ご主人様の帰りを奥様が起きて待っているという状況で成り立つわけで、奥様が帰ってきた旦那に対して、「またこんなに飲んで」とあきれつつ、「しかたがないねえ」と許している姿が目に浮かぶ。近年は、奥様を無視して飲み歩く豪傑もめっきり少なくなり、さらに、旦那を目上として敬う風もなくなり、そのため午前様のの帰りを待つ奥様もまれになったので、この言葉自体レトロ感を漂わせつつひっそり消えていこうとしている。もっとも、旦那が朝帰りの奥様に対してこういう言葉を使うことはこれから増えるかもしれない。(KAGAMI & Co.)

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