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関連用語
雪辱
せつじょく
雪辱とは、被った恥辱を晴らすということ。昔は戦争で、現代ではスポーツの勝負で、一度負けた相手に次戦で勝利したとき、「雪辱した」「雪辱を果たした」と言い表される。最近の流行り言葉では「リベンジ」だが、revengeは、仇を討つ、復讐するというだけの意味なので、負けたことで受けた恥辱を、勝つことによって晴らすという「雪辱」の精神的なニュアンスには欠ける(リベンジしたらそんな気持ちに自然となるから、わざわざ「雪辱」なんていわなくてもいいということか?)。
「雪辱」を訓読すると「辱(はじ、はずかしめ)を雪(そそ)ぐ」となる。「そそぐ」は、水で洗うという意味の「すすぐ(濯ぐ)」が転じた語なので、「雪辱」は受けた辱めを洗い流すという意味になる。「雪」という漢字はあくまで、空から降る雪を表し、洗うという意味はなさそうだが、黒々とした辱を被って白くするというイメージは合っていなくもない(白く覆い隠すだけじゃ、臭い物にフタか?)。しかし、漢文学の権威・白川静先生によるとそれは違って、「雪」は、刷新の「刷」や払拭の「拭」と音が似ているので採用され、意味もブラシなどで洗うという「刷」や布などで拭くという「拭」に寄せたものだとのこと。その事情が事実なら、わけのわからない当て字を使うなよ、と言いたくもなる。(VP KAGAMI)