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粒揃い、粒ぞろい

つぶぞろい

 粒揃いとは、粒の大きさに差がないことをいうが、集まった人々に容姿や技量の差がなく見劣りする者がないことの例えとして用いられる。アイドルグループのオーディションで、審査員が「今年の応募者は粒揃いだね」などと評するのは、自分の好みに合っているというハラスメントもどきの意見であることが多い。

「粒」は小さくて丸いものをいうが、「粒(の大きさ)が揃っている」と聞くと、われわれは「どんぐりの背比べ」という例えを思い浮かべる。このことわざは、いずれも平凡で抜きん出た者がいないという意味で用いられるが、アイドルグループのオーディションはおそらく「今年の応募者もどんぐりの背比べだね」というのが実態ではないかと思われる。

「粒揃い」の「粒」は、おそらく真珠などの粒をイメージしているのではないかと考えられる。「粒揃い」という言葉が使われるようになったのは、1900年代に入ってからのようで、真珠王・御木本幸吉が真珠の養殖に成功したのが1893年なので、その仮説はあながち間違いではないかもしれない。

「粒選り(つぶより)」「粒が小さい」などの表現も、1900年代半ば近くから見られることから、その昔、「粒」などというものは大きさがバラバラで揃っていないのがあたりまえだった実情がうかがえる。

​(VP KAGAMI)

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