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にこにこ、ニコニコ

にこにこ

 にこにことは、人が幸せそうに笑顔を見せている様子を表した擬態語。アメリカのハーベイ・ポールが創作したということにされている「スマイリーフェイス(smiley face)」が、日本語では「にこちゃんマーク」と呼ばれるように、「にこにこ」の「にこ」はうらおもてのない明るい笑顔を表現している。

「にこにこ」の「に」は、まさにニコちゃんマークの口の形で、一部鼻から息を抜きながら発せられる音であり、声を発しない状態の笑顔から聞こえてくる「音」だといえる。では「こ」は何か。ニコちゃんマークからは、この「こ」という音は聞こえて来そうもない。筆者の考えでは(また始まったよと言わないで)「こ」は、主要な擬態表現の後に付けて、「子」や「小」を連想させる動きや様子を表す役目を果たしている語である。例えば、「ちょこちょこ」「とことこ」「のこのこ」「ピコピコ」「ポコポコ」は、子どもっぽいかわいさを加える語として、また「せこせこ」「しこしこ」「へこへこ」などはスケールの小さい行為を表す語として機能している。

 同じ「に」で始まる笑いでも「にやにや」「にたにた」となるとだいぶニュアンスが変わってくる。「にやにや」は、いやらしいことを考えてむらむらしているおっさんが表向きは冷静さをよおっている表情である、「にたにた」は、むらむらしていることを隠さないおっさんの表情である。(VP KAGAMI)

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