御手盛り、お手盛り

おてもり

 お手盛りとは、地位などを利用して自分の都合のよいようにものごとを決めること。「お手盛りの人事」「お手盛りの法案」などと使う。「手盛り」は、食物を自分の好きなように器に取ることを言う。要するにビュッフェ(ブッフェ)である。そこから、自分の都合のよいように勝手にことを運ぶことを言うようになったのが「お手盛り」。「お手盛り」はちょっと泥臭い言い方なので、「お手盛り人事」「お手盛り法案」は、今後「ビュッフェ人事」「ビュッフェ法案」とオシャレに言い直したらいかがだろうか(「お手盛り」という行為自体が泥臭いので、オシャレに言いかえる意味がないかも)。「手盛り」に敬意を示す「御」を付けるのは、お手盛りの張本人は人事や法案を左右できるお偉いさんだからかと思われる。

 ところで、自分の坏に自分で酒を注ぐことを「手酌(てじゃく)」と言うが、「お手盛り」はあっても。「お手酌」はない。手酌は、好きなように好きなものを注ぐというより、仲間と離れて一人孤独を楽しむ風情が強くなるので、「お手盛り」のめでたさやにぎやかさが失われるせいかもしれない(そんなものは失われてもかまわないと思うが)。

​(VP KAGAMI)

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