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あられもない

あられもない

 あられもないとは、そのようにあるべきではない、似つかわしくないという意味だが、「あられもない寝姿の彼女」のように、主に女子の服装や態度について、ちゃんとしてない状態を表すのに用いる(どのようにちゃんとしてない状態を言うのかは、各自考えておくように)。同じような考え方をすれば、化粧を落として寝ている女子は「あられもない寝顔の……」とでも言いそうだが、顔についてはこの言葉は使わないので、各自使用にあたっては自制を心掛けてください。

「〈あられ〉もない」というくらいだから、「あられちゃん」みたいな(服装がちゃんとした)キャラがいるのかと勘違いしそうだが(私だけか)、これは「ある、なし」の「あり」に可能の助詞「り」を付けて名詞化し、「も無い」でそれを否定したのが「あられもない」であり、「あるべくもない」という意味となる。江戸時代の用法では、「とんでもない」「あってはならない」「予想外な」というもとの語意どおりのさまざまな使い方をしているが、しだいに、主に服装がちゃんとしていない女子のありさま専門の言葉となった。なぜそうなったのかはよくわからないが、「あられ」という言葉に、「露(あら)わ」とか「乱れ」のようないやらしい響きを感じるヤツらが多いせいかもしれない(もちろん、私見です)。

 (KAGAMI & Co.)

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