蔑む、貶む、さげすむ

さげすむ

 蔑む(貶む)とは、軽蔑するという意味。浮気がバレたあなたを見る彼女の視線、そう、それが蔑み(貶み)の視線です。

 この語の語源として、大工が墨縄(すみなわ)に重りをつけて垂らし、柱などにしるしを付けて垂直を測る「下墨(さげすみ)」という技術から来ているのでは、という説がある。確かにこの語を動詞化した「下げすみ」という古語があるが、その意味は、語源に準じて「相手の気持ちを推し量る」ということ。江戸初期に成立した『日葡辞書』でもSaguesumi(サゲスミ)は、大工の計測技術の他、推測することという意味があり、「人を下げすむ」は、ある人を見る、気持ちを推し量るということだとしている。しかし「この語は往々にして、相手の悪意や下心を見すかす意味に受け取られる」ともあり、そのあたりから相手を軽蔑する意味へと結びついたと推測することもできる。しかし、同書には「軽蔑する」の意味で、他にSague iyaxime(下げ卑しめ)という語が掲載されていて、この語が「さげいやしめ→さげすみ」と変化したと見るほうが、意味のうえでは自然である。『岩波古語辞典』では、見下す、蔑視するの意味で「さげしみ」という語があり、これは「下げし見」から来ているものだとされる(まさに「上から目線」というやつである)。以上から、「下墨」が直接「さげすみ」の語源となったとするのは無理があるようで、むしろ「下げ卑しみ」や「下げし見」が影響を与えて、「下墨」が「相手の悪意や下心を見すかす意味に受け取られる」ようになったと考えた方がよいのではないだろうか……とまあ、無知なしろうとは、無知なりに考えをめぐらせるのである。(KAGAMI & Co.)

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