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関連用語
風雲児
ふううんじ
風雲児とは、事変に乗じて活躍する人物。小説に描かれた坂本龍馬のような人物を指すほめ言葉といえるが、現実には、その昔「兜町の風雲児」などと呼ばれて肩で風を切って歩いていた人物がいたように、荒っぽい手法で荒稼ぎし、やりすぎて大コケし消え去るという、ただのお騒がせなヤツ(「ガセピ」とでも呼ぶか?)をいうことが多い。
字ヅラどおりに解釈すると「風と雲の子ども」で、「子どもは風の子」とか『ノンちゃん雲に乗る』みたいなのんきな言葉にも感じられるが、「風雲(ふううん)」は「風雲急を告げる」などと使われるように嵐の前兆であり、『まんが日本昔ばなし』のオープニングのように龍の昇天や飛翔をイメージさせる熟語として、中国では古くから使われている。そのような『嵐を呼ぶ男』みたいな人物、あるいは昇竜のようにイケイケの人物が「風雲児」である。
「風雲」に子どもを意味する「児」を合わせた「風雲児」は、近代日本に現れた独特の言い回しで、中国や台湾のネットで検索すると、日本のアニメやドラマのタイトル、あるいは有名なラーメンのチェーンが出てくるほど知られていない言葉。日本では「革命児」とか「異端児」など、世間を騒がせ、大活躍する人物は「子ども」だったりするが、そう呼ばれる彼らは実際はみな成人なので、リアルを重んじる中国語には使われにくいようだ。これらの「児」には、向こう見ずで無茶をして暴れ回るといった子どものイメージが重ねられている、日本ならではの見立てだと言えよう。
(VP KAGAMI)