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関連用語
音を上げる
ねをあげる
音を上げるとは、もう限界だという気持ちを声で表す、つまり、弱音を吐くという意味。要するに「ぼかあ、もうだめだ~」と言っている人のありさまを言い表した言葉である。
「音(ね)」は、漢字のとおり「音(おと)」だが、「ね」と読んだ場合は、感情がこもった音(声)、感情がこもったように聞こえる音(声)、感情を刺激する音(声)というニュアンスが含まれ、「虫のね」が心地よく聞こえるのは、それが海外の人が聞く「虫のおと」ではないからである。
人の「音(ね)」は「声」と言い換えてもよいが、「音を上げる」が前述の意味であるのに対して、「声を上げる」は大声を出す、意思表示をするという意味となる。つまり「音(ね)」と言った場合は、声の感情的な要素に、「声」と言った場合は、音量や言葉の内容にポイントが置かれるということである。
「音(ね)」が声や音の感情的な面に着目した語だということはわかるが、感情には怒りや笑いなど明るい側面もある。しかし、「音(ね)」は「鐘の音」「笛の音」のように、どちらかというとさみしく、暗い声や音について使われる。それもそのはずで、音をいう「ね」は、泣くの「な」から派生した語で、もとは「音(ね)」と言えば、泣き声を表していた。「音を上げる」も声を上げて泣くというのが本来の意味で、そこから自然に、現在の「弱音を吐く」という意味につながっていると理解できる。(VP KAGAMI)