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手練手管

てれんてくだ

 手練手管とは、人を思うままにあやつりだます技巧のこと。類義語に「権謀術策」があり、どちらも「手練手管の限りを尽くして闘う」「権謀術策の限りを尽くして闘う」と同様の使い方をされるが、本格的な戦闘のおもむきがある「権謀術策」に対して、「手練手管」の方はもっと小規模であり、「小細工感」が否めない。実際この言葉は、江戸時代、娼妓が男を騙すやり口を言うのに盛んに使われたようで、「手」と「管」が訓読み、「練」が音読みであることから、日本で造られたなんちゃって四字熟語であることがわかる。「練(れん)」も「管(くだ)」も織物に関係のある言葉で、「練」は紡績の過程で生糸や生絹を灰汁などで煮て柔らかくすること、「管」は糸を巻き取るための棒状の道具。当時、織物は一大産業であり、その工程は、マニュアルに従った仕事(悪事も含めて)を言い表すのに適していたのだろう。

 (KAGAMI & Co.)

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