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悪びれる

わるびれる

 悪びれるとは、おどおどする、恥ずかしそうにするという意味で、「彼は詐欺で逮捕されたのに悪びれる様子もない」などと使う。この使用例を見てもわかるように、語頭の「悪」に引かれて、「大人びる(大人らしくなる)」「田舎びる(田舎っぽく見える)」と同類の語のように見なされ、「悪びれる様子もない」は「悪人らしく見えない」つまり「さんざんなことをしたくせに、ふてぶてしくいけしゃあしゃあとしている」(ああ、あいつのことかと、思い当たるフシはあるよね)といった意味でとらえられがちである。結果的には「平然としている」=「おどおどしていない」で似たような様子になるが、本来の意味は違うようだ。

「悪びれる」の「びれる」は、「怯ゆ(おびゆ、現代語で怯える)」と同源と言われる「おびる(現代語でおびれる)」ではないかと考えられる。「おびる」は、動きが鈍い、内気でおどおどする、とまどうなどの意味で使われていた。そうなると「悪」も「悪人」のことではなく、「悪あがき」「悪目立ち」のように、見苦しい、ひどいという意味の接頭語であると解釈され、「悪びれる」は「悪おびれする(ひどくおどおどする)」と言い換えることができそうだ。

 もっとも昔の人も「悪びれる」=「悪人がいけしゃあしゃあとしている」という解釈には惹かれたようで、『平家物語』には、鹿ヶ谷の陰謀を主導していた西光法師が捕縛され、平清盛に自白を強要されるが「悪びれた様子もなく平然としていた」と記されている(もっともこの人はそのあとひどい拷問を受けて自白させられた後、口を切り裂かれて殺されるという無惨すぎる最期を迎えるのだが)。

 (KAGAMI & Co.)

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