怒髪天を衝くとは、怒りのあまり髪の毛が逆立って天を突き刺すほどだという意味。原典の『史記・藺相如（りんしょうじょ）伝』では、「怒髮上衝冠（怒髪上りて冠を衝く）」という言い方になっていて、怒りのあまりかぶり物を突き上げてしまうほどだという、見てきたようなウソが記されている。この言葉は「怒髮衝冠（怒髪かんむりを衝く）」という四字熟語として広く引用されてきたが、新薬師寺の伐折羅大将（ばさらたいしょう）などを見た日本人が「冠かぶってね〜し」と考えて、「冠をかぶってないなら、天（空）を衝くしかね〜な」と、「天を衝く」に言い換えてしまったのでは、と筆者は考える。

​（VP KAGAMI）