地道

じみち

 地道とは、着実にものごとを進めることを言い、「地道な捜査が実を結んで容疑者が逮捕された」などと用いられる。もとは、馬をゆっくり歩かせることを言い、早足で歩かせる「早道(はやみち)」に対する語。語源からも知れるように、目立たないが確実に歩んでいることが条件であって、類似の「堅実」のように現状を守る意味あいが強い言葉ではものたりない。その点「着実」は後に「進歩」「歩み」といった語が続くので、ニュアンスが近い。

「地道」はつまりウサギに対するカメの姿勢であり、結果に早く飛びつこうとするのではなく、ゆっくりでも確実な歩みをよしとする考えで、本来日本人に好まれる生き方である。しかし、冒頭の「地道な捜査が実を結ぶ」という使い方からも知れるように、ある程度結果が出てみないと、ものごとが先に進んでいるのかどうかはわからないものであり、また、「地道(じみち)」という音感が華やかさがない、目立たないという意味の「地味(じみ)」と通じるせいもあって、近年やや影の薄く、そのカメの姿勢自体もウサギに押されぎみで、まさにイソップ物語の前半みたいな状況だが、はたしてイソップ同様の結末が待っているかどうかはわからない。また、そのような結末をわれわれが期待しているかどうかも微妙で、日本人は今日も目の前の仕事に地道に取り組んでいる。(VP KAGAMI)

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