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テキ屋

てきや

 テキ屋(的屋)とは、露天商、大道商人らの総称。また、それらを束ねて市や縁日を仕切る興行師(プロモーター)についてもいう。香具師(やし)と同じだが、先生という意味の「師」が付く香具師がやや敬われている印象なのに対して、より怪しげで、うさんくささが半端ない人々が「テキ屋」ではないかと思われる。つまり、香具師は軍師、つまりプロモーター的な側面が強く、てきやは下っ端の兵隊ともいえるわけだ。

 われわれにもっともなじみのあるテキ屋は「フーテンの寅さん」だが、寅さんもそこそこ詐欺的なセールストークを繰り広げているように、露天商には詐欺まがいの商売も多かった。その昔、ルーレットのようなゲームをさせて当たれば商品をもらえるという商売があったが(隠語があったと思うが忘れた)、これなどは正味インチキだったようだ。

 テキ屋は「的屋」と漢字を当てるので、怪しい露天商の代表格である射的屋から来ているのではないかとも考えられるが、香具師(やし)を軽蔑していう「やてき」(泥棒を「どろてき」などという場合と同じ)の倒語であるという説もあり、語のなりたちとしてはそちらのほうがもっともらしい。(VP KAGAMI)

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