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めろめろ、メロメロ

めろめろ

 めろめろ、メロメロとは、しまりなく自己を失ってしまうさまをいう擬態語。特に「じいじは孫にめろめろだね」のように、子どもや異性など愛する者に対してだらしなくふるまうさまを表す際に用いる。その昔、グループサウンズのコンサートで失禁したり、失神したりするファンがいたが(いまもいるのか?)、そこまで行ってしまうと「めろめろ」という言い方では弱すぎる(孫を抱いているじいじがおしっこを洩らすのは別の理由からだ)。

「めろめろ」は江戸時代からある言葉だが、当時はいくじなく泣くさまや、ものが炎を上げて燃えるさまをいうのに使われていて、子どもや異性への「めろめろ」という使い方は近年の傾向のようである。

「めろめろ」の語源については諸文献に記述がない。なんとなく外来語のようなひびきがあるが、外来語由来でないことは確かだ。筆者が臆測するに、女性を蔑視した言い方である「めろう(女郎)」から来ているのではないだろうか。江戸時代の用法である「いくじなく泣く」というのは、女性に対する先入観がもたらしたものだろうし、近年の「愛する者にめろめろ」はまさに「めろう」対する男のだらしなさを表している。「炎を上げて燃えるさま」は、「めらめら」との類似からきたものと思われ、おそらく語源が違う。

(VP KAGAMI)

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