うま煮

うまに

 うま煮とは、根菜や肉をだし汁、しょう油、酒など各種調味料で煮詰めて照りを出した料理。「おいしい煮物」という日本料理にしては珍しくどストレートかつ自信満々な名称であり、じぶ煮、雑煮なんかと比べるとよっぽどである(雑煮なんて、雑な煮物っていうんだから、どんだけ謙虚なんだか)。しかし、逆にいえば、「なんだかうまいですねえ」としか言えない、決まった作り方もなく、特徴のない料理といえるかもしれない。

 日本の中国料理にも「五目うま煮」というメニューがあるが、さすがの中国でもこんな自慢タラタラのわけのわからない料理名はないようで(「よだれ鶏」はちょっと近いかも)、八宝菜のことを日本の料理をあてはめてこう呼んでいるだけのようだ。ここで問題なのは、「8種の素材を使った料理」である八宝菜が、日本でなぜ「5種の材料のうま煮」と数が減ってしまったのかであるが、思うに、日本の町中華の料理人が「8種も材料使いきれねえよ」とブーたれて、5種類くらいならなんとかなるが「八宝菜」じゃウソになるから、名前を「五目うま煮」にでもしとこうか、となったのではないだろうか(もちろん筆者の邪推です)。一方、中国で「うま煮」などという名前の料理がないことについてだが(「八宝」と材料についてはずいぶんほめているようだが……)、たぶんそんな名前でメニューに出すと、理屈っぽい中国人が「じゃ、他の料理はうまくないあるか?」などと文句を言うせいではないかと思う(もちろん筆者の邪推です)。

(KAGAMI & Co.)

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