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あらま、あらまあ

あらま、あらまあ

 あらま、または、あらまあは、驚きの感動詞。多くは女子が「あらま、それはたいへんですこと」などと使う。「あら」と「ま」「まあ」からなる語で、「ま」「まあ」については別項で解説するので、ここでは「あら」について説明する。「あら」は指示代名詞の「あれ」が変化したものと考えられ、「あらまあ」を「あれまあ」と言うことは今日でもある。つまり、驚きの対象を指さして「なんじゃ、こりゃ」「それはビックリ」と驚いているのが「あらま」「あらまあ」だと考えられる。しかしそこで疑問なのは、驚きの対象はたいていは目の前にあり、指示するなら「これ」であり(「なんじゃ、こりゃ」ですよ)、人の話を聞いて驚く場合は「それ(つまり、その話)」となるはずなのに(「それはビックリ」ですわ)、なぜ一番遠いところにあるものを指示する「あれ」を使うのかということ。それはおそらく、「あれ」が驚きの発話である「あ」で始まっているからではないだろうか。意外な出来事が起こったり、予想外の話を聞いたとき、本当に驚いたのなら人はまず驚きの声を上げる。「これは」とか「それは」などと、その出来事や話を指し示す余裕はないのである。だから、腹から血が噴き出している人はまず「なんじゃ」と驚き、この腹の状態について私は驚いているんですとして「これは」と言う。意外な話を聞いたとき人は「えっ?」と聞き返すもので、「それはビックリ」などと返すのはよほど余裕があり、へたをするとほとんど驚いていないように受け取れる。これらに対して「あら」は、驚きの「あっ」が含まれた指示代名詞の「あれ」であり、まず反射的に驚いた後、すぐ冷静に戻って(たいした出来事じゃなかったからかな)、「あらまあ、それはたいへんですこと」とマダムの落ち着きを取り戻すのである。(KAGAMI & Co.)

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