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この辞典の使い方(ホーム)「と」で始まる言葉>途方もないの意味、語源

カテゴリー:慣用語

 

​途方もない

とほうもない

 途方もないとは、並外れている、理解を超えている、道理にはずれている、という意味。われわれ凡人が理解不能な天才的なアイデアに直面すると、「途方もない計画だねえ」などと感心したふりをして(ほんとうは、ただわけがわからないだけ)、「しかし実行するとなると難しそうだな」と(ほんとうは、実行する方法がわからないので、やる気がないだけ)とその才能をつぶしてしまう。そんなやんわりとした「才能つぶし」にオススメの言葉がこれ。

 類語に「途轍もない」「とんでもない」があり、いずれも「途」つまり「道」に関係ある言葉。「道」は「道理」や「筋道」などと使うように、理論、常識を表すので、「途方もない」「途轍もない」「とんでもない」は、いずれも理解や常識を超えているという意味で用いられる。このうち、「途方」は道の行方、つまり、これから行く方向を表し、冒頭の例にあげたようなまだ実現していないバカ話(のように思える話)などについて言われる。これに対して「途轍」の「轍」は「わだち」すなわち、車輪などの跡を意味し、「途轍もない選手が現れた」のように、すでにそこにあるバカみたいな事実(というか、こっちがバカなので理解を超える事実)について言う。「とんでもない」は「途でもない」から来ているそうで、「とんでもないヤツだ」「とんでもない話だ」のように、どんなバカなヤツやバカ話にも使え、「途方」や「途轍」に比べて使い勝手がいいせいか、「助かったのはあなたのおかげです」といった感謝の言葉に対して、「とんでもない」つまり「バカ言ってんじゃないよ」などと強く否定するのによく使われる(もちろん、これは「わたしのおかげだなんてとんでもない(みんなが頑張ってくれたおかげです)」と言っているわけで、感謝している相手を否定しているわけではない)。

(KAGAMI & Co.)

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