待ち兼ねる、待ちかねる

まちかねる

 待ち兼ねるとは、待つことに耐えきれなくなる、待ちきれなくなるという意味で、「あなたからの便りを待ち兼ねています」などと用いる。耐えきれなくなってどうするのかは定かではないが(キレて暴れ出すか?)、要するに、長い間待って我慢も限界に達し、このあと別の行動に移すかもしれない(便りが来ないので押しかけるとか……。ただし、「待つのをやめる」ことはしないと思う)という感情を言い表している。

 人形浄瑠璃(文楽)で初演され、その後歌舞伎でも名演目となった『仮名手本忠臣蔵』の四段目は、塩治判官高定(えんやはんがんたかさだ:浅野内匠頭のこと)切腹のシーンだが、腹に刀を突きつけた塩治判官のもとに、ようやく駆けつけた家老の大星由良之助義兼(おおぼしゆらのすけよしかね:大石内蔵助のこと)に、判官が「待ち兼ねた」と苦しい息の中発する名セリフで知られる。この「待ち兼ねた」こそ、これ以上「待ち兼ねきれない」状況もないのではないかと思われる(そろそろ死んじゃうし)。

 (KAGAMI & Co.)

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