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三度目の正直

​さんどめのしょうじき

 三度目の正直とは、二度失敗しても三度めにはたいていのことはうまくいくから諦めずに挑戦せよ、ということわざ。しかし逆に、三度挑戦してだめだったら諦めろという「諦めのススメ」ともとれる。

 同じことが二度続くと、人はそこに「二度あることは三度ある」という連続性を感じとる。だから三度目に連続性がとぎれると、感動や驚きが増す。お笑いの「三段落ち」は、同じシーンが二度続き、三度目で落とすという落とし方だが、これはその連続性の遮断を使った方法である。

「三度目」で「正直」が実現するとわれわれは感動するが、ほんとうは四度目の正直や五度目の正直のほうが感動はもっと大きい。したがって、「諦めずに挑戦せよ」ということを言いたいのなら、「臥薪嘗胆」とか「石の上にも三年」といったことわざがふさわしい。筆者が考えるに、「三度目の正直」は、二度まではまだ確定していないが、三度目に起こったことは成功であれ失敗であれ、それが正しい(正直)のだということを言いたいことわざなのであって、三度やってもダメな場合は、それがあなたの実力や才能なのだから、さっさと諦めた方がよいというニュアンスのほうが強いのである。(VP KAGAMI)