むしゃくしゃ

むしゃくしゃ

 むしゃくしゃとは、怒りや不満がわだかまっている心の状態。「むしゃくしゃして、犬をけとばしてやった」(注:よい子はマネしないように)などと使う。つまり、尾崎豊の普段の精神状態。または、映画『酔いどれ天使』の主人公・松永(三船敏郎)の普段の精神状態。

 似た精神状態を表す言葉に「いらいら」があるが、こちらは事態に直面して心がとげとげしくなっている気持ちを表したもの。これに対して「むしゃくしゃ」は、怒りや不満の理由がはっきりしない、つまり実存主義的な鬱屈した心のあり方を示している(それほどのもんかよ、とも思うが)。

「むしゃくしゃ」は、もとは「むさくさ」。「むさ」は「むさい」の「むさ」で、貪欲で心がきたない、見た目がきたないという意味、「くさ」は「臭い」の「くさ」。つまり臭くて汚いのが「むさくさ」であり、毛などが乱れもつれるさまから、心中がみだれもつれる状態を言うようになったもの。「むさくてくさい」という語源から考えると、尾崎豊の心情を表すには適当ではないようだが、実存主義的な気分の表現には、もしかしたら適しているかもしれない。(「太陽がまぶしかったからさ」みたいな……、あるいは、マロニエの根っ子を見てゲロついたみたいな……)。

 (KAGAMI & Co.)

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