慰み者、なぐさみもの

なぐさみもの

 なぐさみもの(慰み者)とは、一時の楽しみのためにもてあそばれる者という意味で、主に性的対象とされる者をいう。女性の地位がよほど低かった時代に、脂ぎった代官に強欲な商人が袖の下とともに差し出す町娘などというのが代表的ななぐさみものであり、時代劇によくあるパターン。

「なぐさみもの」の「慰み」は「慰む」の連用形。「慰む」は、他動詞「慰める」に対して自動詞。「慰む」も「慰める」も、心を楽しませるという意味だが、自動詞の「慰む」は自分を楽しませる、他動詞の「慰める」は他人を楽しませるということになり、えらい違いが生じる。自動詞の「慰む」を使う「なぐさみもの」は、脂ぎった代官が自分を楽しませるためにいろいろなことをさせる相手という意味になる。一方、「なぐさめもの」という言葉はたぶんないが、あったとしたら、イエス・キリストが奇跡を起こして幸福にする相手をさすことになり、脂ぎった代官とキリストを一緒にしないためにも、まぎらわしい「なぐさめもの」がなかったのはさいわいである。(VP KAGAMI)

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