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関連用語
腰が抜ける、腰を抜かす
こしがぬける、こしをぬかす
腰が抜ける、腰を抜かす、とは、驚きや恐れのあまり立っていられない状態をいう。「震度6の地震で腰が抜けた」は、恐怖で立っていられないとも、揺れが強すぎて立っていられないとも受け取れるが、実態は後者であっても、言葉の意味からは前者と受け取れる。
「腰が抜ける」を字ヅラそのままに解釈すると、本来あるべきところから腰がなくなるという意味になるが、ダルマ落としじゃあるまいし、人の腰はそう簡単には抜けないから、ここは腰の関節が抜けて、あるいは腰の力が抜けて立っていられなくなるというのが本意。
類似の表現に「肝を潰す」「度肝を抜かれる」「目玉が飛び出る」「舌を巻く」などがあるが、それぞれ、場の状況や驚きの強度が違う。「腰を抜かす」に近いのは「肝を潰す」で、いずれも恐ろしいものや怖い体験をしたときに使う。「肝を潰す」は、精神が破壊されるというような意味で、ショック状態を表すのに適している。「肝を潰す」がやや抽象的な表現であるのに対して「腰を抜かす」は、驚きのあまりしゃがみこんでしまうというドキュメンタリータッチのリアルな表現となっている。
(VP KAGAMI)