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差し、サシ

さし

 差し(サシ)とは、賭博場などで一対一での勝負をいう語。「こうなったら、サシで勝負だ!」などと、負けている博徒がやけくそで叫んだりする(そして、身ぐるみ剥がれる)。

「差し」は、男女が向かいあって飲食をする様子を言う「差し向かい」の略かと思われる。つまり、言いたいことは「向かい」であって、「差し」はそれを強調する接頭語と考えられるが、男女の飲食の場合、酒を差しつ差されつ(相手の坏に互いに酒を注ぐ)しているイメージが重なっているとも考えられる。賭博の修羅場を表すのに「差し向かい」ではヤワすぎるので略すのはわかるが、意味を考えるなら「向かい」とするのが適当ではなかろうか。しかし「差し」を、ドス(短刀)で互いを「刺しつ刺されつ」するイメージと重ねれば、「差しの勝負」は鉄火場にふさわしい隠語となりそうだ。(KAGAMI & Co.)

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