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定番

ていばん

 定番とは、安定した売り上げを保ち、その店の経営基盤を支えている商品のこと。すなわち、他の商品のしかばねを乗り越えてしぶとく生き残っている商品。飲食店の「定番メニュー」も、一定の需要がありメニューに固定されている料理であり、町中華のラーメン、チャーハンは代表的なそれ。しかし「看板メニュー」というわけではなく──ラーメンは看板にも書かれているが、ここではそういう意味ではないことはおわかりいただけると思う──、ラーメンをメニューからはずしてしまったら町中華とは言えないのでしかたなく提供し続けている店も多いので、「定番メニュー=おいしい」と考えない方が無難である。サーティワンアイスクリームの「大納言」というあずきを使った商品は、アンケートをとるといちばん人気のないフレーバーだそうで、一時これを販売停止したところ、高齢者からクレームが出て販売を再開したとのことだ。つまりこれが「定番商品」である。

「定番」は、安定した需要があるので、台帳の商品番号が変わらずずっと残っているところからきた名称だそうだ。昭和初期の『大言海』には掲載されていないので、戦後比較的新しい時期に登場した言葉のようである。

​©校長のかがみ

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