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カテゴリー:慣用句

音に聞く

おとにきく

 音に聞く(おとにきく)とは、噂に聞く、世評が高いという意味。「おぬしが音に聞く宮本武蔵か」などと使うように、現代人にはあまりなじみのない言葉である。最近のうわさ話は、すぐ動画やインスタにあげられてしまって、「音」だけではすまなくなっているからかもしれない。

 ところで「音(おと)」というのは、「雨の音」「エンジンの音」のように、無生物が発して聴覚を刺激する空気などの振動を言い、生物が発生する音声は「犬の鳴き声」「虫の音(ね)」のように、「声」や「音(ね)」という語を使う。ただ、無生物でも「声」を感じられるものは、「雪の声」「笛の音(ね)」などと表現するように、何か伝えたいことがあると感じられる音が「声」や「音(ね)」と呼ばれ、昔はその範囲が広かったようである。

 だとすると「音に聞く」は、本来は「話に聞く」やせめて「声に聞く」とするのが妥当ではないだろうか。「音に聞く」では、まるで雑音を聞いているみたいだが、「おぬしが音に聞く宮本武蔵か」と言っている人物は、宮本武蔵の噂は聞いているが、そんなものは聞きたくもない雑音であり、武蔵なにするものぞという気分で相対しているとも考えられる。

 (KAGAMI & Co.)

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