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べろべろ

べろべろ

 べろべろとは、舌でものを何度もなめるさまを擬音化した語。同じくものをなめるときのオノマトペに「ぺろぺろ」があるが、こちらは舌先、あるいは子どもの小さい舌でキャンディーなどを軽くなめるイメージなのに対して、「べろべろ」は舌全体を使って強くなめる感じ。わかりやすく言えば、チワワに顔をなめられるのが「ぺろぺろ」、なんたらマウンテンドッグに顔中よだれだらけにされるのが「べろべろ」である。

 舌を出してさかんに動かしながら、言葉を発すると、自然に「歯ぐき弾き音」のラ行(英語のL)になり、ものをなめているときの口の形は「お」に近いので、「ろ」というのはわかる。しかし、キャンディーなどをどんだけなめても「べ」という音が聞こえる感じはしない。舌を「べろ」と言うんだからしょうがないだろとつっこまれる向きもあろうが、舌の「べろ」は「べろべろ」から来た言葉だとする説があるので、話としては逆。だからやはり「べ」の秘密を追究しなければならないが、ものをなめるにはまず口をひらかなければならないので、そのときの両唇破裂音である「べ」や「ぺ」と考えるのが妥当かもしれない。また、なめる音だけで「れろれろ」などとは、とても言いにくいので、まずは口を開く音を最初に持って来て言いやすく(なめやすく)したとも考えられる。昔の子どもが相手の言うことを拒否したり、軽蔑するさいに、下まぶたを指で下げ「あかんべえ」と言ったものだが、これは、まぶたの赤いところを見せるので、「赤目(あかめ」が変化して「あかんべえ」になったと考えられている。しかし、あかんべえの際に目だけで済ませている子どもはほとんどなく、必ず舌を出した。また、「べえ」だけで舌を出して済ませるケースもある。上下の唇を破裂させて発する「べ」や「ぺ」は、発声と同時に舌を出す合図になっているのかもしれない。

 しかし一方で、「舌」は靴べらの「べら」つまり「へら」から来ているとする説もある。「へら」は竹や木材など棒状のものの先端を、平たく(つまり舌状に)加工した道具で、調理用具のスパチュラ(ゴムべら)のように、クリーム状のものを混ぜたり、容器に残った具材などを掻き出したりする役割を果たす。「へら」は古代から使われている道具である一方、「べろ」や「べろべろ」が文献に登場するのは江戸時代頃であり、へら説のほうに分があるような気もする。であるなら、「べろ」も「べろべろ」も、「べ」の秘密などあれこれ考える必要もなく、筆者としてもさっさと次の言葉の探求に向かえるのだが……。

(KAGAMI & Co.)

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