詳らか、つまびらか

つまびらか

 つまびらかとは、細かいところまで明らかであるさま。「政治資金の授受をつまびらかにせよ!」と、貧乏な野党が金持ちの与党を攻めるときに使う(最近はあんまり使わないかも。意味わかんない人も多そうだし)。古くは「つまひらか」「つばひらか」と言ったようで、「委」「曲」「委曲」などの漢字の訓読には「つばひらか」が使われている。

「つま」または「つば」は、端っこという意味の「端(つま)」か、小さくて丸いものの「粒(つぶ)」から、といったところ。軒先のことを「つば」とも言うようなので、端っこの意味の「つま」でいいような気もするが、こまかいところまでという意味の「つぶさ」は「粒(つぶ)」から来ているので、こちらも捨てがたい。

「ひらか」の「ひら」は「開く」の「ひら」ではないかと言われているが、「僅か(わずか)」「静か」のように形容動詞語幹をつくる「か」に続く例が見られないので、実際は不明。ただ、同じように古くからあり『万葉集』によく出てくる言葉で、隅から隅までくまなくという意味の「つばらか」があり、この語の場合、「端(つま)」に、「おおらか」「清らか」など、そのような状態であるという意味の「らか」が付いた語とわかりやすい。この語をもとに考えると「つまびらか」(古い形「つばひらか」)は、「つばらか」に「ひら」が加わった「つばひららか」が略されて、変化した語ではないだろうか。「らか」は形容詞語幹または擬態語などに付く語であり、やはり「開く」とはあまり相性がよくなさそうだ。そこで筆者が候補に挙げたいのが「平(ひら)」である。これは言うまでもなく、たいらであるということだが、「ひら強い(ひじい)」「ひら攻め」のように「ひたすら」という意味がある。そこから「平にご容赦」のように、強い懇願を表す語としても用いられる(よっぽど、地べたにはいつくばってお願いしているんだろうね)。また「平し」と形容詞としても使うので、「平らか」という言い方も不自然ではない。

 というようなわけで、「詳らか」をつまびらかに考察したところ、「隅々まで徹底的にどうにかすること」という意味だという結論に達しましたが、納得していただけましたでしょうか。

 (KAGAMI & Co.)

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