裂く、割く[慣用語]

さく

 裂く(割く)は別項で説明しているように、紙や布に力を加えて線状に切る行為を表しているが、慣用語として「裂く(割く)」は、「男女の仲を裂く」のように、親しい間柄の人を無理やり引き離す、「人員を割いて他の部署にあてがう」「新聞の一面を割く」のように、時間、金、人手、場所などの一部を他の用途に当てるという意味で使用される。いずれの例にも示されているように、「さく」は紙や布に力を加えて切り離す、切り開くという行為であることから、人為的力を加えて(「男女の仲」の場合、うるせえオヤジがしゃしゃり出てきて…)、無理に一部を切り離して他の用途に当てる(「人員を割いた」場合、「ムリしてうちの部署の人員を割いてやったんだから、ひとつ貸しな」というような恩着せがましさをにおわせて…)というニュアンスがこめられている。「裂く」と「割く」の漢字の使い方の違いは、「裂く」のほうは、「布を裂く悲鳴」のように、その行為そのものにけたたましさがともなう場合(男女の仲を裂かれたらみんな大泣きしてあばれるだろう)、「割く」のほうは「魚の腹を割く」のように割くことにあまり抵抗がない場合(「うちの部署はヒマこいてるから、実際はありがたいくらいなんだよね」みたいな)に、それぞれ用いられているような気がする。(VP KAGAMI)

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