壺に嵌まる、ツボにはまる

つぼにはまる

 壺に嵌まる(ツボにはまる)とは、急所を押さえられる、ねらいどおりになるという意味。前者は「笑いのツボにはまる」などと使い、演芸場の客が芸人のひとことで笑いの急所をつかまれたために、その後芸人がどんなつまらないことを言っても笑いが止まらなくなるといったような状態を「今日の客はツボにはまったな」などと言う。つまり、お笑い芸人が楽勝で笑いが取れるという、お客の理想像である。一方後者は「思う壺に嵌まる」「思う壺」という言い方で「これではあいつの思う壺だ」などと使い、いつも「あいつ」にだまされてショボくれているヤツの言い草である。

 鍼灸の急所を「ツボ」と言うので、「ツボにはまる」は鍼灸の用語から来ているのではないかと思っていたが、鍼灸の「ツボ」は俗称で、専門用語では「経穴(けいけつ)」、中国では「穴位」「穴道」などと呼ばれてるようであり、どうやら「穴」というのがそのイメージらしい(そりゃあ、ハリで刺したり、灸で焼いたりすれば穴もあくだろうよ)。昭和初期の『大言海』を見ても、「壷」に鍼灸の急所という解説はないが、江戸時代初期の文献には「体のツボをなでさすり、そこここに灸(やいと)をすえる」といった文例が見えるので、急所、要点、狙いどころといった一般的な意味では広く使われていたようである。ではなぜ、「壺」が急所や要点の意味で使われるようになったかについては、定説はないが、中世の雅楽のテキストに「壺をはずさずに太鼓を打つ」といった記述が見え、そのあたりが出所ではないかと考えられている。しかし、しつこいようだが、鍼灸は中国春秋時代(前770~前221)に起こり、「経穴」という言葉も前漢の書物に登場する。日本にも遣隋使、遣唐使によりテキストとともに伝えられているので、この「穴」のイメージが日本でわかりやすい「ツボ」に置き換えられて、急所、要点、狙いどころの意味で広まったと考えてもあながち間違いではないように思える。(以上、Wikipedia風に言えば「この記事は検証可能な参考文献や出典がほとんど示されていないうえに、筆者の憶測で書かれていますので、むやみに信用しないでください」ってところですかな)

 (KAGAMI & Co.)

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