はっ、ハッ、ハッと

はっ、はっと

 はっ、または、ハッと、とは、思いつきや驚きの表現。「はっとして、来た道を引き返しました(忘れ物でも思い出したんだろう、きっと)」などと使う(「ハッとして!Good」なんていうわけのわからない歌もありました)。ただし、「あっ」や「えっ」と違って、声として発せられることはあまりなく、心の中の発語を後になってなぞる場合(先の文例のように)や、書き文字で表される。つまり「はっとした」と言っても、心の中で実際に「はっ」と言っているわけではなく、後になって、「『はっ』みたいな思いつきかたをした」と見立てているわけで、いわば、マンガの効果音を考えるような感覚で使われる擬声語だといえる。

 驚きや思いつきなどとっさの発声には、発語するのにあまり口や舌の技術を必要としない「あ行」や「は行」の語が多く使われる。中でも母音の「あ行」は口を開くだけで発せられる語なので、本能的な驚きや感嘆の表現に適している。「は行」は、口の中のいろいろなところを通過する息で摩擦して発する言葉だそうで、あ行より、少し発音に手間がかかる分、ややニュアンスのこもった表現となる。つまり「あっ」が単純に驚きの本能的反応であるのに対して、「はっ」の場合、その場面を反省した結果の想像上の驚きや思いつきを表していると言えるのではなかろうか。

 (KAGAMI & Co.)

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