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この際

このさい

 この際とは、この時、この場合という意味だが、「この際、離婚しよう」「この際、はっきり言っておく」などと使用されるように、「こんな場合だから」「このような状況だから」「いい機会だから」のように、「ある状況をきっかけにして」というニュアンスをこめた言葉である。つまり、その語を聞いた第三者が「いったい君たちに何が起こってるんだ?」と期待に胸をワクワクさせるような、そんな背景を秘めた言葉なのである。

 「際」は、「その時」「その頃」「その節(せつ)」「その折(おり)」の「時」「頃」「節」「折」と同様に、ある時、ある場合を示す語。使い分けとしては、「時」「頃」が客観的な時や時期を表すのに対して、「節」「折」が話し手や聞き手に関わりのある出来事が発生している時や時期を表すのに用いられ、「際」も後者に属する。

 では、「節」「折」と「際」の違いはなにか。それは、「節」や「折」は「その節」「その折」という使い方が多い一方、「際」は「その際」という使い方もするが、それより「この際」が好んで使われ、慣用語化していることがヒントになる。「この」はいままさに進行している時や場面をさし、「この際」は、話し手や聞き手が進行中の出来事の渦中にあることを示している(しかも、かなりシリアスな出来事である場合が多い)。

「際」は「きわ」とも読むように、もののはしっこ、ものごとの終わり、ものとものの境目などを意味する。つまり、あるものごとに直接関わっている、あるものごとに触れて強い影響を受けているという「きわきわ感」の強い語である。「節」や「折」も話し手や聞き手に関わる時や場面を表しているが、その時や状況を漠然とイメージさせる語であり(☞その折」参照)、「際」ほどの切迫感、巻き込まれ感はない。だから現在進行形でも、「この節、桜もすっかり散ってしまいましたなあ」などとのんきな使い方をされる。一方、「この際、離婚しよう」のようにさしせまった話を聞かされると、第三者のわれわれは「どうした、どうした」と野次馬根性丸出しにさせられるのである。

(KAGAMI & Co.)

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