齧り付く、かじりつく

かじりつく

 齧り付く(かじりつく)とは、噛みつく、食いつくという意味だが、主に、しっかりととりついて離れない、という意味合いで「石にかじりついてもこの計画はやりとげる」「机にかじりついて勉強している」などと使われる。同じ状態を表す語に「噛みつく」「食いつく」「食らいつく」「しがみつく」などがあるが、使い方が似ているのは「食らいつく」「しがみつく」で、いずれも、「取り付いて放さない」という「しつこさ」に重点が置かれた言葉である。「食らいつく」と「しがみつく」を比較すると、「食らいつく」が肯定的、「しがみつく」が否定的な言い方である。「かじりつく」は、どちらにも使われる表現で、「地位にしがみつく醜いヤツ」は「地位にかじりつく醜いヤツ」と言い換えることもできるが、冒頭の例で示したように、どちらかというと肯定的な意味合いで用いられることが多い。ただし、「石にかじりついても…」も「机にかじりついて…」も、その必死で取りついている姿を皮肉な目で見る第三者の視線が感じられる。これはなぜかと言うと、「囓る(かじる)」は固いものの一部を前歯などで削り取るという意味であり、食欲を満たす「食らう」に比べて、取りつき方が浅く、危うい取りつき方だからである。要するに、囓っている程度でものにしっかり取りつくことは難しいわけで、しかも囓っているのは「石」だとか「机」だとか、とてもじゃないが「歯が立たない」相手であり、「石にかじりつくなんて言っているようじゃ、計画を達成するのは絶対ムリじゃね」とか「机にかじりついてるが、ほんとは勉強がだいきらいなんだね」という皮肉な見方となって言い表されるのだと思う。

(KAGAMI & Co.)

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