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鍋、鍋物、鍋料理

なべ、なべもの、なべりょうり

 鍋は煮炊きするための調理器具だが、その調理器具を食卓に出し、調理しながら食べる料理のことでもある。鍋物、鍋料理などとも言う。鍋または鍋物は、冬を代表する料理で、大勢が鍋を囲んで好みの具材をつつきあうスタイルに意義を見出す者もあるが、その本質は、鍋を火にかけたまま食べるので、最後まで熱い料理が食べられるという点にある。その証拠にわれわれは、鍋というコロシアムで繰り広げられる食材争奪の激しいバトルに嫌気をもよおし、牛丼チェーンなどで提供される一人鍋に救いを求めて逃げ出しているではないか(単に、仲の良い家族や友だちがいないだけという指摘もごもっともだが)。また鍋は、家庭で料理を作る者にとっては、準備が比較的楽であるというメリットも捨てがたい。アメリカの家庭におけるバーベキューのように、普段は料理しないぐうたらなヤツが、鍋料理になるとがぜんはりきって、具材の投入の順番や食べるタイミング、各人への分配などを取り仕切ったりするので、そんな人物のこうるさい指示にはいはいと従っていればよいのだから(だからといって、食事の後片付けをしてくれるわけではないので、頭に来るけどね)(KAGAMI & Co.)

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