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粛清

しゅくせい

 粛清とは、厳しい取り締まりにより政敵や犯罪者を排除すること。つまり権力者のお掃除、独裁者のおかたづけ。「清」という文字を使っているように、厳正に(=粛)浄める(=清)ということだが、そのお掃除やおかたづけの方法は国家体制や権力者の権力に比例して過激になる。例えば、粛清は英語ではpurgeで、これも語源は洗う、浄めるという意味のラテン語にいきつくが、連合国占領下の日本でマッカーサーにより行われたred purge(赤狩り)は、共産党員、共産主義支持者(と疑われる者)の公職追放がせいぜい(と言ってはいかんかな…)だったが、1933年頃よりソ連のスターリンが行ったБольшая чистка(ボイシャーィ チースㇳカ、みたいな発音)、英語ではBig Purge(大粛清)は、スターリンが敵とみなした人物、公称約68万人が処刑された(それだけなわけねえだろ、という見方が常識)。

 日本読みで「粛清」と同じ「粛正」は、「綱紀粛正(こうきしゅくせい:国家の規律を正すこと)」などと使われるように意味も近いが、「正」という語がおとなしいせいか、「粛清」に比べて過激さはない。「粛清」は、近代のスターリンや赤狩りのおかげで多く口の端にのぼるようになったが、漢字としては古く、『続日本紀』には「この国の郡司(地方長官)は殖産興業につとめ、税金もがっぽり納め、盗賊も粛清し、とても有能である」といった報告書があり、「粛清」という語が昔から過激な用い方をされていたことがわかる。

 ところで、ゴッドファーザーが裏切り者を何百人始末しても、「粛清」という言い方はしない。これは「粛」という語に、おごそかである、規律正しいという意味があるし、きれいにするという意味の「清」もまた、マフィアのボスには似合わないからかもしれない(じゃあ、スターリンに似合うのかというと、どうかとも思うが)。

​(VP KAGAMI)

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