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下げる、提げる

さげる

 下げるとは、ものを上から下に移す、また、上部で固定して下方に垂らすという意味。「下」という漢字を当てる和語には「下げる」「下す(くだす)」「下ろす(おろす)」があり、いずれも上から下へ移動させるという動きを表した表現である。類似の意味を持つ言葉では「落とす」「降らす」「垂らす」などがあり、それぞれ意味合いが異なる。このうち「下げる」は、ぶらさげるの「提げる」とも書くように、本来はものの一部を固定して下に垂らすという意であり、「ネックレスを下げる」という使い方が正解だった。古く日本では刀剣を腰につける、つまり佩く(はく)ことを「太刀(たち)をさげる」と言ったが、これは紐で腰にぶらさげていたから。戦国時代以降、刀は帯に差す方式が一般的になったので(居合抜きなんか、こちらのほうがやりやすそうだ)、「さげる」とはいわなくなったが、腰に差す暇がなく、ハンドバッグのように手に持って出かける場合は、「さげる」という言い方が復活する。ちなみに、日本刀はけっこう重いので、長距離を移動する場合、手でさげ続けていると、目的地で使用するときに腕が利かなくなるおそれがあるので、肩にかつぐなり、腕の負担を軽くするようご忠告申し上げる(誰に忠告するのだろうか。堀部安兵衛か?)。(VP KAGAMI)

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