top of page

この辞典の使い方(ホーム)「い」で始まる言葉>勇み足の意味

カテゴリー:スポーツ

カテゴリー:慣用語

勇み足

いさみあし

 勇み足とは、相撲の決まり手の一種で、圧倒的に優勢で相手を土俵際までおいつめた力士が誤って自分から足を土俵の外に踏み出してしまうことをいう。要するにおっちょこちょいな力士の自滅型の決まり手である。ビジネスの現場などでも、せっかく交渉が順調に進んでいたのに、おバカな社員が取引先で余計な一言を言ってしまったために契約が打ち切られてしまったようなケースで、「あいつの勇み足のおかげで商談がパアになっちゃった」などと用いられる。

 相撲の取組において「勇み足」はめったに見られない間抜けな決まり手であるが、日常世界においては比較的ありがちな失敗であり、特になにごとにも「ひとり相撲」を取っているヤツがおかしがちなミスである。

 ところで、勇み足は優勢な力士が勢い余って足を土俵外に出してしまうという決まり手だが、講談などを聞いていると、相手の強さにビビって自ら土俵外に逃げてしまう勝負もあったようで、そんなのは勇み足とは言えず、ならば「恐れ足(おそれあし)」「怯え足(おびえあし)」とでも言うのかと日本相撲協会のホームページで調べたところ、相手の力が加わらない状態で足が外に出てしまう「踏み出し」という決まり手があった。同協会が掲載している写真を見ると、土俵際でいったん相手と離れた力士が、勢いをつけてぶつかろうと足を後ろに下げたとき土俵を踏み出してしまうといった状況が想像される。これは「間抜け足」「スベり足」とでも言ったほうがよさそうだが、敗者を鞭打つような名称はさすがにはばかられ、「踏み出し」という客観的な決まり手に落ち着くのであろう。

 (KAGAMI & Co.)

いさみあし.jpg

関連用語

bottom of page