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この辞典の使い方(ホーム)>「み」で始まる言葉>未曾有の意味、語源
カテゴリー:慣用語
未曾有
みぞう、みぞうう
未曾有は、「未(いま)だ曾(かつ)て有らず」と訓読されるように、きわめて珍しい事象を言うのに用いる。つまり、関西風にくだけていうと「こんなん初めてやで」ということであるが、いい大人が「こんな景気悪いの初めてやで」などと言っていたのでは恥ずかしいので、「未曾有の経済危機を迎えた」などとかっこをつけるのである。しかし、漢字をよく知らずに読み方を間違えたりするともっと恥をかくことになるので、気軽に使わないにこしたことはない。老婆心ながら、この語は「みぞう」「みぞうう」とは読むが、「みぞうゆう」とは読まない。
英語でイディオム、日本語では慣用語、慣用句である「熟語」を、中国人はふつう漢字2個か4個で作りたがり、3文字はほとんどない。「未曾有」が文章の中に見えるのは諸子百家の墨子(紀元前5世紀頃)の「賢士を退け、愚か者を用いて国を保てた者は、いまだかつて存在しない」あたりで、この使い方は「いまだかつてなかった」という言葉の意味そのもので、熟語化、イディオム化しているとはいえない。紀元前1世紀から紀元後1世紀ころに仏教が伝わると、その中に、サンスクリット語あるいはカンナダ語で「すばらしい」「驚異」「驚くべきこと」などを意味するadbhuta(アンブート)という語があり、これに「未曾有」が意訳でとしてあてがわれたことで、この語が熟語、慣用語、イディオムに昇格したと考えられる。
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