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老舗

しにせ

 老舗とは、はるか昔に創業し、潰れずにのこっている名店のこと。「創業二〇〇年の菓子の老舗」などといわれる。「老舗の看板にあぐらをかく」などという例えもあるように、看板の上に座っている店が多いらしい。

 「老舗」という漢字は「古い店」という意味で、日本語の読みである「しにせ」とはぜんぜん関係のない当て字。「しにせ」は「し似せること」つまり「真似をすること」。「伝統を守って三〇〇年」などと聞かされると耳障りはよいが、創業当初、あるいは人気の高かった時代のスタイルをそのまま真似て、たいした進歩もなく、周りの同業者が潰れたおかげで現代に至っている店と言い換えることもできる。

 とはいえ、先祖のスタイルをまねしながら二〇〇年、三〇〇年も存続している老舗があるという事実は、確かに驚異ではあり、老舗の名誉のために言っておけば、ただ漫然と過去の伝統を引き継いでいるだけでないことは明らかである。そして、日本には創業100年以上の企業数が断トツ世界一であること、最も古い創業の企業があるという事実は、率直に誇ってよい日本の宝のひとつである。。

​©校長のかがみ

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