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焼売、シューマイ、シウマイ

しゅうまい、しうまい

 焼売(シューマイ)とは、豚のひき肉を主とした具材を、小麦粉の薄皮で包んで蒸した料理。中国料理の点心の一種。日本においては、餃子や肉まんなどの点心の人気に隠れていまいち影が薄く、かといって、小籠包や春巻などの特別感もないという微妙な位置づけの点心であり、崎陽軒のシウマイやシウマイ弁当がなかったら、中国料理店の売れないサブメニューとして細々と生きながらえるにとどまったであろうという食べ物である(「日本においては…」以降すべて個人の偏見です)。

 横浜の崎陽軒は、日本一売れている駅弁であるシウマイ弁当で知られるが、明治41(1908)年の創業当時は、横浜駅長であった創業者が前歴を生かして、駅構内でキオスクみたいな店を開き、飲み物や寿司などを売っていたらしい。シウマイを始めたのは、20年後の昭和3(1928)で、初代社長・野並茂吉が、東京に近すぎるため駅弁などが売れにくい横浜でなんとか名物をつくろうと模索していた際、横浜中華街(当時の南京街)でつき出しとして提供されていた焼売に目を付け、中華街の優秀な点心師を引き抜いて開発したそうだ(以上、崎陽軒のホームページを参考にしました)。なお、崎陽軒のそれについて、「シューマイ」ではなく「シウマイ」としれっと表記したが、これが正式な商品名であり、その名の由来については、栃木県のど田舎出身の(失礼)社長が「シューマイ」と発音することができなかったからだとか、「うまい」をかけているのだとか、諸説あるようで、詳しくはWikipediaなどを参照してください。

「焼売」は「焼いて売る」と書くが、それを言うなら「蒸して売る」だろうというツッコミを入れたくなるが、この語源についてはいくつかの説があり、中でもモンゴル語を音写したものだという説が有力である。ということは、中国ではシューマイはモンゴル起源の料理として認識されているようで、現在の中国・内モンゴル自治区の呼和浩特(フフホト)市の名物であるとか、元の時代に持ち込まれたとか(つまり、チンギスハンやフビライハンが常食してたってことか?)、これもさまざまな逸話があるようだ(以上、台湾のWikipediaを参考にしました)。

 ところで、中国語の「焼」は、料理で使う場合、煮炊きする、料理を作るという意味であり、「焼飯」は日本では「やきめし」で、和風チャーハンのことだが、中国ではご飯を炊くという意味になる。だから「焼売」は、意味の上でも、ツッコミを入れられるような筋合いの名称ではないのである。

(KAGAMI & Co.)

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