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奇しくも、くしくも

くしくも

 奇しくも(くしくも)とは、不思議にも、偶然にもという意味。「離婚が決まったその日は奇しくも結婚記念日だった」のように、偶然であることをそれほど強調しなくてもよいような(わざわざそれ言うか、みたいな)状況でよく使われる。不思議であるという意味の形容詞「くし」の連用形に助詞「も」を付けた語。

「くし」のごく古い用例『続日本紀』(765)でも「くし」には「奇」の字が当てられていて、おバカな筆者は当初これを「きしくも」と読んでいた。「奇」は、意味の上からもズバリ「くしくも」にあてはまるので、語源も「奇」という漢字の読みから来ているのではないかと思いがちだが、どうやら「くし」は和語と考えられているようで、怪しいという意味の「けし」と同源ではないかとされる。また別に、焼き鳥を刺す「串(くし)」や髪をとかす「櫛(くし)」(櫛は以前は串のような形のものだったようだから、どちらも同じ)に古くから霊的性格があったことから、それが語源ではないかとする説(しろうと目には「ほんとかよ説」だが)もある。(VP KAGAMI)

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