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パンツ

ぱんつ

 パンツとは、ズボンのこと、または、下半身にはく短い下着のこと。ズボンのことをパンツ(pants)というのは米国であり、英国でpantsはさるまたやズロースなどの下着のことをいうらしい。日本でもパンツといえばながらく下着のことであったが、「ズボン」とか「スラックス」という言い方がダサいと感じられるのか、ファッションに敏感な女子を中心に、いつのころかそれらを米国式に「パンツ」と呼ぶようになっている。しかし、「パンツ」といえば下着しか思い浮かばないおじさんたちには、女子が「パンツ」「パンツ」というのはかなり抵抗がある。だから、カジュアルなパーティで「シャツとパンツで決めてきてね」などと言われると、おじさんたちは下着姿でのこのこ出かけていきそうであり、それこそまさに「勝負パンツ」ということになる。

 ところで英語のpantsは、驚いたことに1960年代末に日本でも流行した裾幅がばか広いズボンであるパンタロン(pantalon)の略語なのだそうだ。パンタロンは本来は長ズボンを意味するフランス語で、16世紀にイタリア喜劇の道化役者パンタローネが細い長ズボンをはいたことに由来する。したがって、パンツが「ズボン」を意味するのは、違和感があっても語源としては正しいのだといえる。しかし一方でパンタロンは、19世紀初頭、女性がスカートの下にはいたズボン型の下着をも言い表していたので、パンツが下着を意味するのもまた理由がないことではない。したがって、日本人のわれわれ(得に男性)が「パンツ」で右往左往するのは、もっぱらバカな英語の使い手に責任があるのだと言える。(KAGAMI & Co.)

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