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狼藉

ろうぜき

 狼藉とは、乱暴をはたらくこと、乱暴であること。時代劇で、お城の中で刀を振り回しているような人物がいると「狼藉者」と呼ばれ、たいていは大勢に取り押さえられて処刑される。現在では「乱暴狼藉をはたらく」などとときどき使われる程度で、あまり耳にすることがない。おそらく昔ほどむやみに乱暴したり狼藉したりする人が少なくなり、本格的な「狼藉者」は「テロリスト」などという新しい名前を頂戴しているからではないかと思われる。

 狼藉の「藉」は、戸籍の「籍」に似ているので、狼に育てられた人のようなイメージのある言葉だが、よく見れば狼藉の「藉」のほうはくさかんむり。この字は座ったり寝たりするために下にものを敷くという意味で、「狼藉」は狼が草を敷いて寝た跡が乱れている様子(よほど寝相が悪いのだろう)を言ったもの。中国語ではいまでもこの語は乱雑な様子を表す熟語で、乱暴という意味は日本で派生したものらしい。確かに「狼の寝ぐせ」程度で暴力、乱暴を言い表すのは、語源を知らない人々の拡大解釈(縮小解釈?)というべきであろう。(KAGAMI & Co.)

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