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妄想

もうそう

 妄想とは、「想像」のうち、現実性や実現性がまったくなく、本人にとって価値がないばかりか、害にさえなるとはた目からは見える心理作用。しかし、それはまたアーティストの創造の源泉でもあり、「想像力」の強い者は並みのアーティストにはなれるが、そのレベルを超えるには「妄想力」の強さが必要とされる。

「妄想」はまた、ありえないことを想像する「空想」にも意味が近いが、「妄想」は「空想」より病的なニュアンスが強く、心理学者のえじきになりやすい。空想家が小説を書けばSF小説になり、妄想家が小説を書けば犯罪心理小説になる。

 漢字の「妄」は、でたらめ、みだりに、誤っている、といった意味だが、もとは、死者への呪術を表しているとも、読んで字のごとく、「女に心を迷わされ、心を失っている(=亡)状態」とも解釈される。もちろん当辞典では後者の語源を支持する。(KAGAMI & Co.)

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