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左党

さとう

 いま「左党」と言えば、ちょっとショボそうな左翼政党くらいしか思い浮かばないが(ショボいかどうかはともかく、「左翼の党派」という意味もある)、少し以前までは、それで酒好き、大酒飲みを言い表していた。鉱山労働者が左手でノミを持ち右手で金槌をふるって岩をくだいたので、左手を「ノミ手」、右手を「ツチ手」と言ったところから、「ノミ手」→「飲み手」というシャレで生まれた言葉だそうだ。酒飲みが「左」であるなら、甘党は「右」だろうという連想で、「右党」という俗語もある。しかし、「左党」は口語にすれば「さとう」で、むしろ甘党を連想させるし、酒やグルメの世界に左翼も右翼もないだろうという政治観(?)からか、このややこしい成り立ちの俗語は、ほぼ死語と化している。(KAGAMI & Co.)

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