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盆栽

ぼんさい

 盆栽とは、鉢植えの木を自然にはありそうもない形にねじまげて、これが理想的な自然の姿だとうそぶくという、非常に芸術的な趣味。優秀な盆栽は商取引の対象となるが、多くは自己満足のために製作される駄作で、その意味でもきわめてアーティスティック。

 多くの日本の趣味や遊び同様、盆栽もルーツは中国にあると考えられ、平安時代には似たような趣味がすでに取り入れられていた。現在の盆栽のスタイルに整えられたのは中世だが、盆栽の製作者にはさまざまな条件が必要とされるため、流行をみたのは江戸時代も後期からである。

 盆栽の製作者の「条件」とは、1)なにより「ひま」であること、2)多少の財力があること、3)ほとんど動かず声も発しない木や草と相対するため、自身も活動力がなく、忍耐力に優れていること(つまり高齢者に適した趣味ということ)、4)木の寿命につきあえる程度に健康で長生きであること、などで、この条件を満たすのは家督を子息に譲った商家などの「ご隠居」ということになり、世の中が平和でないとブームは起こりえない。(KAGAMI & Co.)

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