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カレーうどん

かれーうどん

 カレーうどんとは、カレー味のかけうどん、あるいはカレーのあんかけうどん。うどん屋に入ってカレーが食べたくなる(他の人が食べていると臭いがすごいので)という悪魔的な魅力を持った麺料理である。カレーそばもあるが、ワイシャツへの汁の飛び具合にまさるカレーうどんのほうが人気があり、両者をまとめてカレー南蛮と称する場合もある。蕎麦屋に入ってカレー南蛮を注文すると、「そばですか、うどんですか」と聞かれるが、腹の中で「カレー南蛮はうどんに決まってるだろ」と思っていても、冷静に「うどんで」と答えなければならない。

 カレーうどんは、明治末期に東京・早稲田の『三朝庵』が明治末期に考案したとされ、昭和初期にはカレーライスより人気があったという。和風だしにカレー粉を加えたもの、上記にとろみをつけたもの、かけうどんにカレーを乗せたものなど作り方はそれぞれで、カレーラーメンのような汁にうどんを入れた名古屋カレーうどんなどご当地カレーうどんもある。

 味付けにカレー粉を加えるこころみはさまざまな料理で試され、どれもこれもカレー味になってしまうという問題はあるものの(当たり前ですが)、いずれもそこそこのレベルの仕上がりとなるが、なかでもカレーうどんは成功したもののひとつといえる。その要因として、うどんやそばのつゆにバラエティが少なかったことと、カレーが和風だしに見事にマッチした点が挙げられる。例えば、イタリア料理店では、他にいくらでもうまいソースがあるのに、カレーを加えて店をインド料理屋みたいな臭いにしたくないという理由で(かどうかは知らないが)、カレースパゲティはほとんど作られていない。

(KAGAMI & Co.)

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